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治験での活用広がるPRO‐東京薬科大学臨床評価学教室教授 川口 崇氏に聞く

2025年01月23日 (木)

患者目線で多角的評価実現

川口氏

 患者の視点から様々な自覚症状を報告してもらう患者報告アウトカム(PRO)による評価を、医薬品の治験に取り入れる動きが広がっている。患者目線での評価を加えることで、医薬品の有効性や安全性の多角的な評価ができるようになる。一方、スマートフォンのアプリ等で電子的にPROの情報を収集するePROを臨床現場で活用する研究も進んでいる。ePROによってタイムリーな評価が可能になり、有害事象や症状悪化の早期発見や早期対応が実現する。PROの現況や展望について、この領域に詳しい川口崇氏(東京薬科大学臨床評価学教室教授)に聞いた。

QOLの評価法から定義

 ――PROという概念が生まれた背景は。

 医薬品の承認申請において規制当局が患者のQOLを評価に取り入れたいと考えた時に、評価方法が統一されていないという課題があった。1990年代後半からQOL評価を統一する動きが始まり、QOLを構成する概念が整理された。


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