◆「ビッグファーマ」という本が話題である。製薬業界は技術革新に優れてはおらず、技術革新のために高い薬価が必要との主張は不当で、画期的でもない薬の売り込みに費やされている……。こうした内容に、反論文書を配る企業も出た
◆だが、ショックは大きい。著者が有名医学雑誌「ニューイングランドジャーナルオブメディシン」前編集長という面もある。刊行記念シンポジウムには定員の倍の200人以上、業界からも多数出席した
◆しかし厳しい議論を予想してか、話しかけても「何も話さないよ」と言葉少な。議論に参加した製薬協の山辺日出男専務理事は「一つのモノの見方」とやんわり批判。薬に厳しい京大の福島雅典教授らも加わったが、業界に矛先が向かないまま終わった
◆本でもシンポでも指摘されたのが、企業がスポンサーである臨床試験結果の歪み、増大する研究開発費に対して減少する新薬という開発の非効率性。これらの問題提起には、業界関係者も深刻顔だ
◆問題を生む制度・慣習を含めた本質を考え、対応することが業界の宿題と言える。初版5000部のこの書は増刷となった。反響はこれからかもしれない。
「ビッグファーマ」
2006年02月08日 (水)
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