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米食品医薬品局(FDA)は、2月14日、グラクソ・スミスクライン(GSK)社の混合ワクチンPenmenvyについて、10~25歳を対象にした侵襲性髄膜炎菌感染症(IMD)の予防目的で承認した。Penmenvyは、IMDの一般的な原因である髄膜炎菌の5つの主要な血清群(A群、B群、C群、W群、Y群)を標的としている。同ワクチンは、GSK社の定評ある2種類の髄膜炎菌ワクチンであるBexsero(髄膜炎菌B群ワクチン)とMenveo(髄膜炎菌〔A群、C群、Y群、W-135ワクチン〕、無毒性変異ジフテリア毒素結合体〔CRM197〕)の抗原成分を組み合わせた懸濁注射剤で、筋肉注射で投与する。
GSK社のリリースによると、IMDは、稀であるが深刻な病気で、治療を受けても発症からわずか24時間以内に最大で6人に1人が死亡する可能性があるとのことだ。また、IMDは、初期症状がしばしばインフルエンザと誤認されるため、誤診されやすい。IMD生存者のおよそ5人に1人は、脳障害、四肢切断、聴力低下、神経系障害などの長期的な影響を受ける可能性があるという。誰でもIMDに罹患する可能性はあるが、16~23歳の青年と若年成人は、大学の寮のような狭い場所での生活やキス、飲み物、食器、喫煙具の共有などが一般的であるため、IMDの原因となる細菌に感染するリスクが最も高いグループの一つとされているそうだ。
このワクチンの安全性、忍容性、免疫応答は、10~25歳までの4,800人以上の参加者を対象とした2つの第3相試験に裏付けられている。安全性に関するデータからは、このワクチンの安全性プロファイルは、GSK社が認可している髄膜炎菌ワクチンと同等であることが示された。最も多く報告された副作用は、注射部位の痛み、倦怠感、頭痛、筋肉痛、吐き気であった。
米国の青少年の健康と予防接種に重点を置く非営利団体Unity Consortiumの代表兼創設者であるJudy Klein氏は、「IMDがもたらす事態は、感染者やその家族、友人にとって深刻なダメージとなる可能性がある。われわれは、髄膜炎菌感染症からより多くの青少年を守るための新しい予防法を歓迎する。この5価ワクチンは、1回の接種で5つの血清群に対する予防を可能にすることから、青少年が必要な接種を受けやすくなり、この病気への対策に役立つ可能性がある」と、GSK社のリリースで述べた。(HealthDay News 2025年2月18日)
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https://www.fda.gov/vaccines-blood-biologics/penmenvy