富山大学とキュアコードは、エピソード記憶(出来事に関する長期記憶)能力を、誰でも・いつでも・どこでも高精度に検査できるスマートフォンアプリ「Statice(スターチス)」を共同開発し、その特許が登録されたことを3月7日に公表した。同アプリには、エピソード記憶能力の加齢性減退を緩和する行動変容を促すインストラクション機能も搭載し、実用化されれば、高年齢者の生活の質向上などに貢献することが期待される。
同アプリは、ユーザー(被験者)に学習すべき課題画像を多数提示し、学習した画像を再認識できるかどうかを問う。スマートフォンを用いて、学習課題の提示から被験者の再認識検査まで、全てのプロセスを自動で実行する。また、スマートフォンアプリのため、誰でも・どこでも・いつでもエピソード記憶の検査が実施できる。
さらに、オプション機能として、学習直後に有酸素運動を指示する機能も備えている。同アプリはウェアラブル端末と連動し、有酸素運動がエピソード記憶の定着を促進するのに最適な強度となるよ被験者に指示を出す。この機能により、被験者はエピソード記憶能力の減退を緩和する行動変容を体験しながら学習できる。
今後は、共同研究先(民間企業等)を募り、大人数の集団に同アプリを繰り返し利用してもらうことで、長期的にエピドード記憶能力がどのように変化し、かつ有酸素運動がどのような効果を及ぼすかを詳しく調査していく。その上で、生涯にわたって同アプリの有効活用の方法の確立を目指す。また、将来的に販売先となる民間企業を見出し、同大とキュアコードが共同で製品化を進めていく。