築野グループ(和歌山県伊都郡)は、米糠から抽出した「フェルラ酸」、「イノシトール」、「γ-オリザノール」の皮膚透過性に関する研究成果を発表し、その内容が日本化粧品技術者会誌Vol.59-No.1(2025年3月号)に掲載された。
今回は、米糠由来の機能性成分「フェルラ酸」、「イノシトール」、「γ-オリザノール」について、ヒトの皮膚組織(表皮と真皮の一部含む)を対象に拡散セル装置を用いて、皮膚透過性を評価した。
3成分について、各1%配合した化粧品製剤をそれぞれ作製し、皮膚組織の表皮側に添加後、皮膚を透過して真皮側から出てくる成分量を測定。その結果、いずれの成分も真皮側の溶液中で検出され、皮膚組織を透過することが確認された。また、添加後6時間までの累積の透過量はフェルラ酸、イノシトール、γ-オリザノールの順で高く、特にフェルラ酸が優れた皮膚透過性を有していることが明らかになった。
近年、米糠由来成分を配合した化粧品の美容効果が注目を集めており、同社の研究でも種々の皮膚細胞に対する有益な効果が日々明らかになっているという。今回の研究により、これらの成分は皮膚表面に留まるだけでなく、製剤中から皮膚内に送達され、細胞に直接作用して効果を発揮する可能性が示された。