島津製作所は9日、回診用X線撮影装置「MobileDaRt Evolution MX9 Version」シリーズを国内外で発売した。同シリーズは、従来製品のメインモニタに加え、X線照射部にセカンドモニタと3Dカメラ(オプション)を搭載している。同シリーズは、全世界で8000台以上の販売実績がある、同社の回診用X線撮影装置のフラッグシップモデルとなる。
回診用X線撮影装置は、病棟や手術室、救急エリアなどに移動させてX線検査を行う画像診断装置。多くの医療従事者に利用されるため、「操作の習熟度による画質のばらつきを抑えたい」「撮り直しの頻度を少なくして業務を効率化したい」といった要望に応えたもの。
新製品の主な特長としては、従来、撮影条件の変更の際には医療従事者が装置本体のメインモニタで操作する必要があるが、同製品はX線照射部にセカンドモニタを搭載し、医療従事者がベッドサイドで速やかに撮影条件が変更できること。また「MobileDaRt Evolution MX9 Version」 cタイプでは、撮影後の画像をセカンドモニタで確認でき、さらに動線を効率化することで、医療従事者の負担軽減・働き方改革につながる。
3Dカメラで取得した患者映像により、撮影範囲を正確に把握できるのも特長の一つ。X線照射部とフラットパネルディテクタ(FPD:デジタル平面検出器)が対向しているかを判定するレーザーナビゲーション(オプション)も搭載可能。また、3DカメラでX線照射部から患者表面やベッド面のFPDまでの距離を測定し、セカンドモニタに被ばく量(患者表面線量)を表示でき、施設内での定量的な被ばく量の管理を支援する。
「MobileDaRt Evolution MX9 Version」cタイプにはチューブ・カテーテル確認支援ソフトウェア「Smart Tube」(オプション)を搭載できる。AI技術を活用したソフトウェアが、チューブやカテーテルの可能性がある画像上の領域を認識して、着色・強調表示し、医療従事者による位置確認を支援します。
同社は、11~13日にパシフィコ横浜で開催される「ITEM2025国際医用画像総合展」の同製品を展示する。