【新製品】スマートポンプ4製品を発売‐RFID対応機種は2製品 テルモ

2025年10月17日 (金)

 テルモは29日、「スマートインフュージョンシステム」(スマートポンプ)の新機種、「テルフュージョンシリンジポンプSS型10」(SS型10)、「テルフュージョンシリンジポンプSS型10TCI」(SS型TCI)、「テルフュージョンシリンジポンプSS型10PCA」(SS型10PCA)、「テルフュージョン輸液ポンプLM型10」(LM型10)を製品化し、全国の医療機関に向け販売活動を開始する。なお、RFID(Radio Frequency Identification)対応機種は「SS型10」「SS型10TCI」の2機種となっている。

 「SS型10」「SS型10TCI」は、RFID読み取り機能を搭載しており、事前に登録した薬剤ライブラリとポンプに装着されたICタグ付きシリンジを照合し、自動認識をすることで、薬剤の取り違えや設定の誤入力を低減させ、安全性が向上している。なお、同社指定の適合シリンジであれば、院内で発行されたICタグ付きラベルを張り付けることで読み取りも可能となっている。

 4機種全てで、「DXで薬剤投与の効率化」「患者の安心を守る」に対応している。

 「DXで薬剤投与の効率化」では、シリンジポンプに薬剤投与完了までの残時間を表示する新機能を搭載、さらに、通信機能を活用することにより、電子カルテなどからの遠隔での確認もでき、正確な薬剤更新時間の把握が看護師の先読み対応や薬剤準備がスムーズにできる。また、記録業務の効率化を実現する。これらの機能による看護師の業務負担軽減と患者ケアの質向上が図れる。

 「患者の安心を守る」では、周囲の明るさに応じてスマートポンプのタッチパネルなどの明るさが自動調整される。また、電子カルテなどとの連携により薬剤投与完了までの残時間を医療従事者が把握することで、投与終了アラームの発生前に薬剤交換などの対応が可能となっている。これにより、術後の患者にしばしばみられる「せん妄」の促進因子とされる音や光などの不眠の要因が低減し、患者の療養環境の改善につながることが期待できる。

 「SS型10PCA」に対応したスマートポンプは、主に術後の疼痛管理に使用され、患者自身がPCA(患者自己管理鎮痛)スイッチを操作して必要に応じて鎮痛剤を投与することができる。さらに、PCA投与履歴を簡便に確認できるため、術後疼痛管理チーム間でスムーズに共有される。これにより、データに基づいた治療方針の選択や適切なタイミングでの介入が可能となり、患者の痛みを緩和し、早期回復をサポートする。

 なお、「SS型10TCI」は、手術中に使用される全身麻酔薬の血中濃度を目標にして投与量を自動で調整するシリンジポンプ。SS型TCIは、他の機種とは異なり、薬剤の投与速度ではなく、目標とする血中濃度を入力する。今回、同社はTCI制御プログラムを自社開発することで、TCI投与中のボーラス投与を可能とするなど、麻酔科医のニーズに合わせた改良を実施した。

 同社調べによると、このTCIポンプは、現在国内で同社のみが販売しており、医療現場における静脈麻酔の安全と効率化に貢献している。

 希望小売価格(税別)は、「SS型10」が71万5000円、「SS型10TCI」が78万2000円、「SS型10PCA」が86万3000円、「LM型10」が76万5000円となっている。



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