
松永隆善氏
積水化学高機能プラスチックカンパニープレジデントの松永隆善氏は15日、都内で開いた新中期経営計画説明会で、最終年度の2013年度に戦略事業と位置付ける「MD(メディカル)事業」の売上高800億円を目指す方針を明らかにした。特に検査薬のトップシェア製品の海外展開を加速させ、現在約20%強の海外売上高比率を約30%以上に高めたい考えだ。
同カンパニーは、09~13年までの新5カ年中期経営計画「GS21‐SHINKA!」でグローバル高収益を目指す方針を掲げ、特に海外事業の拡大を打ち出した。
戦略事業と位置付けるMD事業は、海外展開に向けたM&Aを積極的に展開し、薬物動態事業で米ゼノテック、検査薬事業で米アメリカン・ダイアグノスティカ・インク(ADI)の2社を買収した。09年度には、これら事業が本格稼働する見通しとなったことから、今後は主力の検査薬事業を中心に、生化学領域で世界トップシェアのHDL・LDLコレステロール検査薬を始め、血液凝固、糖尿病、感染症、先端技術の5領域の製品で海外展開を加速させる。
その中でも糖尿病検査薬の開発・拡販を強化していく方針で、中計最終年度の13年度には、MD事業で売上高800億円の達成を掲げた。松永氏は「検査薬を中心にトップシェア製品の海外展開を目指していきたい」と方向性を語った。
具体的には、買収したADI社を通じて、米国で血液凝固領域の検査薬の拡販を進めると共に、ゼノテック社の薬物動態事業を拡大していく。また松永氏は、検査薬事業とのシナジーを目指し、機器ビジネスの拡大を重点領域と位置づけていく方針を明らかにした。
現在、MD事業の海外売上高比率は20%強となっているが、13年度には海外展開の推進で約30%以上に高めたい考えだ。