中央社会保険医療協議会総会は24日、先進医療専門家会議が先進医療として了承した▽大腸腫瘍に対する内視鏡的粘膜下層剥離術▽実物大臓器立体モデルによる手術支援――の2技術について議論し、保険診療との併用に特段の意見を付す必要はないと判断した。ただ、内視鏡的粘膜下層剥離術については、普及性が高く、多くの医療機関が名乗りを上げることが予想されるため、保険導入する際には、要件の設定を慎重に審議すべきとの指摘があった。
大腸腫瘍に対する内視鏡的粘膜下層剥離術は、適応症が早期大腸癌と腺腫。早期大腸癌については、従来の内視鏡的粘膜切除術(EMR)で切除困難な2cm以上の大きさで、拡大内視鏡や超音波内視鏡診断による十分な術前評価により、根治性が期待される病変に限る。腺腫については、EMR時の粘膜下局注による病変の挙上が不良な病変,またはEMRでは切除困難な1cm以上のEMR後遺残・再発病変も含む。
病変を一括して切除できるため、大きさに制限がなく、正確な病理診断が可能なので、適切な治療方針につながることが期待できる。
実物大臓器立体モデルによる手術支援は、適応症が骨盤、四肢骨、関節に著しい変形または欠損を伴う疾患や外傷。
適切な治療方針の決定、正確な手術シミュレーション、複数のスタッフ間でのイメージ共有や補完を行うことができるため、難易度の高い手術の安全性や正確性が向上する効果がある。