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「創造」キーワードに新たな飛躍を

2006年1月6日 (金)

 2006年が明けた。毎年この時期に考えるのは、これからの1年を占い、一言で表現するなら、どのような言葉が適切だろうかという点だ。昨年は、様々な制度改革などに『決着』をつける年と考えた。今年は、その決着が実践に移されるわけだが、『創造』をキーワードとして、課題を前向きに捉えて、飛躍に結びつけてほしいと思う。

 薬業界にとって今年最大のトピックは、4月から始まる「薬学教育6年制」であろう。これは現行の4年制教育を6年間に延長し、長期の実務実習を取り入れるといった単純なものではない。社会のニーズに応え得る薬剤師の養成に向けて、「新しい薬学教育」を創造していく必要がある。

 薬学教育の充実は、薬業界の未来をも左右する重要な課題である。それだけに対応を薬科大学だけに押しつけるのではなく、薬業界全体が責任を分かち合い、関係者の英知を結集して、新時代にふさわしい薬学教育像を打ち立ててほしい。

 もちろん共通事項以外に、各大学が独自色を打ち出すべきことは当然だ。薬科大学が林立する中で、受験生に対して選択の基準を示さなければいけない。そのためには、独創的な研究が展開されていることが不可欠であり、例えば大衆薬など、今まであまり顧みられてこなかった分野へのアプローチも期待したい。

 4月には、診療報酬・調剤報酬の改定も実施される。4年ぶり2回目のマイナス改定であり、昨年末には医科と歯科が1・50%、調剤が0・60%引き下げられることが決まった。今月11日には、厚生労働大臣から中央社会保険医療協議会に対して、改定案作成の諮問が行われる予定である。

 調剤の場合、実質的な技術料への影響は約2%と考えられる。さらに薬価基準の引き下げが上乗せされるため、保険薬局は厳しい経営を余儀なくされるだろう。特に首都圏など、医薬分業率が上限に近づきつつある地域では、引き下げが売り上げに直接跳ね返ってくる恐れもあり、薬局間の競争が激しさを増すことは間違いない。

 この状況を乗り切るためには、薬局は新しいサービスを創造していかなければならない。“患者のため”に行われるサービスであれば、大抵のことは許される。具体的にどのようなサービスを提供していくかは、個々の薬局が患者ニーズなどを踏まえて工夫することだが、中央社会保険医療協議会での支払側委員の指摘などは、かなり参考になると思われる。議事録は直近のものではないが、厚生労働省のホームページで見ることができるので、一読されることをお勧めしたい。

 病院薬剤師の場合は、患者のためという視点に加え、病院経営に資することも不可欠の要素である。そうした業務を積極的に提案し、取り組んでいくことが望まれる。

 製薬企業は、新薬の創製というまさにクリエイティブな仕事を日々展開している。だが、ここで言いたいのは、安全確保を第一主義に据えた、新しい企業風土の創造である。昨年は改正薬事法が全面施行され、出荷した製品の品質、有効性、安全性に関する製造販売責任者の責務が明確化された。今までも行ってきたと反論されるかもしれないが、本当に改正法の趣旨に則った体制で取り組めているのだろうか。

 医薬品企業法務研究会の調査でも、その点が不十分なことが浮き彫りになっている。薬事法の原点に立ち返って、課題があるなら体制を再構築すべきだろう。




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