◆薬害エイズ事件被害者の相談など、支援を行う「はばたき福祉事業団」が社会福祉法人となった。21日には設立披露会も開かれる。事業基盤を強化できる法人化は、被害者にとっても大きな前進になると思う
◆法人化した背景には、息の長い活動を迫られている点がある。事件から20年以上という歳月は、HIVを死の病から、生活し、治療していく病に変えた。その一方、被害者の中心は20030代に成長し、病を抱えて社会生活を送る困難に直面している。しかも重複感染したC型肝炎が、むしろ死のリスクを伴う大きな課題となっている。状態が深刻になってから相談したり、差別・偏見を恐れ家族内で悩む傾向が出ているという
◆法人化によって、被害者だけでなく一般のHIV感染者・患者に対する身障者認定の支援、相談も加わる。薬害再発防止も事業に取り入れた。大平勝美理事長は「福祉だけでなく医療も必要なので、横断的にやっていきたい」と意気込む
◆事業を継続できる基盤ができたことは喜ばしいが、それは苦悩しながら人生を送る被害者がいることも意味する。薬業関係者は決して忘れてはならない。
はばたき福祉事業団の法人化で考えたいこと
2006年10月18日 (水)
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