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【厚労省経済課】後発薬促進でヒアリング‐NPhAは1年後に28%目標

2006年10月30日 (月)

 厚生労働省医政局経済課は、「後発医薬品の使用促進」を主要テーマとして、日本薬剤師会、日本保険薬局協会(NPhA)と相次いで会合を持ち、後発品の使用に関する両団体のスタンスを確認するなど、現状と今後の対応についてヒヤリングを行った。後発品の使用促進に対して日薬は、「決して反対の立場ではなく、協力するスタンス」を表明すると共に、会員向けに後発品データベースの作成を進めており、まもなく稼働する見込みであることを報告した。一方のNPhAは、後発品使用割合を毎月1%「上乗せ」する努力を重ね、1年後を目標として約28%を達成したいと、前向きに取り組む意向を明らかにした。

◇日薬‐DB近く完成、環境も整備

 後発品の使用促進に向けて、4月に処方せんの記載様式変更が行われたが、半年を過ぎた現在も、期待されたほどには進展していない。これは日薬、日本医師会、公正取引委員会などの調査からも明らかで、公取委は調査結果を基に、厚労省に後発品の使用促進を要請している。日薬、NPhAとの協議は、このような背景の下で行われた。

 経済課は日薬との会合で、薬局・薬剤師が後発品使用促進の足を引っ張っているかのような記事が散見されることに懸念を表明。それに対し日薬は、「後発品の使用促進に反対はしていない。協力する姿勢に変わりはない」ことを強く訴える一方で、使用が進まない理由については、薬剤師が説明不足だけではなく、医師側、患者側それぞれに要因があるとの見解を示した。また、近く会員向けの後発品データベースが完成する予定だとし、使用促進への環境整備も進みつつあることもアピールした。

 日薬は11月11日に全国の社会保険担当者会議を開催し、その中で日薬のスタンスを改めて伝達する予定という。山本信夫副会長は、「後発品への変更可処方せんを取り扱う場合、薬剤師として何を考え、どういう点に留意すべきかを伝えたい」と述べると共に、「薬剤師が実際に患者へ説明していることを明示していく必要がある」とし、調査等のフォローアップを行う考えを示した。

NPhA‐「月1%」の上乗せ努力

 NPhAは、会員及び非会員薬局を対象に406月の後発品使用状況を調査した結果を踏まえ、今後の具体的な対応策を提示した。

 調査結果によると、「変更可」処方せんの割合は平均で14.8%で、最終的に後発品に変更された処方せんの割合は5.9%だった。だが、薬局側が積極的に働きかけたケースでは、「変更可」処方せんが31.6%で、実際に後発品へ変更された割合も30.4%に達している。また、「後発品を服用してもいい」と答えている患者の割合は32%であったという。

 この結果に基づきNPhAは、会員薬局が月間1%「上乗せ」を努力することにより、概ね1年後には28029%の後発医薬品使用を達成させたいと、具体的な目標値を打ち出した。

 NPhAの試算によると、処方せん1枚当たりの医薬品数が4.204.7種類あり、そのうち後発品の占める種類数は、現在の後発品使用状況を約17%とすれば、0.700.8種類に相当する。そのため処方せん2枚のうち1枚について、薬剤1種類を後発品に切り替えれば、平均で1.201.3種類となり、28%が達成できるとの考え方だ。NPhAでは、「努力すれば決して不可能ではない数字」としている。

 また、使用促進に向けた全般的な方策としては、▽「変更可」処方せん発行の増加が前提となるため、医師への啓発が必要▽後発品への切り替え増加に向けて薬剤師の意識強化▽説明の強化、ジェネリック医薬品お願いカードの普及など患者への啓発――を挙げた。

 さらに、NPhAが実際に取り組む事項として、(1)患者へのPR(2)医師へのPR(3)薬剤師への徹底した啓発(4)推奨後発医薬品リストの作成(5)保険薬局における後発品備蓄拡大のための支援(6)モデルケース・重点地域への取り組み、行政の取り組みに対する協力・支援――の6項目を掲げた。

 特に、会内で実施したアンケート結果などから、後発医薬品へ変更する場合、あるいは逆に変更できない場合も、キーポイントは「医師の説明」であり、価格の安さは説得力になっていないとの認識である。その意味では、会員薬局の多くが門前型であるため、医師へのPRという面で強みがあるとしている。今後、行政や保険者の取り組みも支援しながら、これらの対策を推し進めると共に、会員に向けて必要な支援ツールなども逐次用意していく方針だ。



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