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新型インフル対策、製配販の連携必要

2009年8月21日 (金)

 いよいよ国内での死亡者が確認された新型インフルエンザ。日本での感染者は5月に初めて確認されてから、増加を続けている。秋冬からの本格流行が想定されてはいたものの、従来の季節性インフルエンザ以上に夏場での強い感染力には、改めてその認識を新たにさせられる。

 今月15日に、国内で初めて亡くなった沖縄県在住の男性は、慢性腎不全の患者だった。重症化しやすい患者や妊婦など、いわゆる感染弱者への予防対策が急がれるのは言うまでもない。同時に、一般への基本的な感染対策が、さらに重要となってくる。

 集団感染では、むしろ高齢者よりも、中高生など10代の患者が多かったのも特徴的だた。そのため、夏休みが明けてから,スムーズに学校行事に入れるかも懸念される。最近では、プロ野球の選手にも感染が広がるなど、春とは違った“深刻感”も漂い始めた。

 新型インフルエンザは、自分が感染しないことはもちろん、人に感染させない心構えが重要といえる。家族や友人、職場の仲間などが協力して,感染予防に努めることが望まれる。

 よく見かけるのが、電車内で咳やくしゃみを頻発している人だ。マスクをしておらず、ハンカチやティッシュなどで口や鼻を覆うこともない。顔を人には向けていないにしろ、付近の人にとってははなはだ迷惑千万である。こうした“咳エチケット”の徹底も、流行に少なからず影響すると思われる。

 今年4月のメキシコに端を発した新型インフルエンザは、社会問題としてマスコミを賑わし、人々のウイルスに対する危機意識が高まってきた。パンデミック(世界的大流行)への懸念から、マスクなどの予防関連製品への注目が一段と増しており、厚生労働省でも「新型インフルエンザ対策ガイドライン」で、手洗い、うがい、マスクの着用・備蓄などを推奨している。

 これを受け、これまで病院などでしか見かけなかった手指消毒剤も、オフィスや学校、商業施設、空港など、あらゆる場所で見かけるようになった。

 パニック状態となり,マスクをはじめとした関連商品の品切れが続出し、流通各社が商品確保に振り回されたことは、記憶に新しい。例えば5月期のマスクの売上が、例年に比べ10倍、20倍という規模でなく、100倍にも及んだケースもある。この秋から冬にかけて起こり得ると推測される新型インフルエンザの動きに合わせて、関連商品の仮需騒ぎは当然ながら、今春以上の事態と思われる。

 現に、マスクなどの市場供給についての問い合わせが、関係官庁、マスコミ、消費者から、メーカーや卸に来ることが増えているという。

 東京医療品卸商協同組合では、「メーカー各社と連携して、関連商品の安定供給に向けて取り組んでいるところだが、資材の関係から生産能力にも限りがあるのが実情。得意先においては、適正な仕入れに留意いただき、過剰在庫や返品など、シーズン前後の流通上のトラブルが発生しないよう、理解と協力をお願いしている」とする。新型インフルエンザ対策では、製配販の連携も重要な要素といえよう。




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