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【日本医療機能評価機構】08年年報を公表‐医療事故、薬剤関連は約6%

2009年8月31日 (月)

ヒヤリ・ハット事例では4分の1

 日本医療機能評価機構(JCQHC)は、昨年1年間に登録医療機関から収集した医療事故やヒヤリ・ハット事例をまとめた、2008年「医療事故情報収集等事業年報」を公表した。医療事故1563件のうち、薬剤に直接関わる作業中の事例は全体の約6%を占める。また、薬剤師が当事者となった事例は16件だった。一方、ヒヤリ・ハット事例は22万3981件のうち、全体の約25%が処方・調剤・与薬などの作業中に発生していた。薬剤師が当事者となった事例は6278件だった。

医療事故、実施段階に要注意

 事故事例情報報告には、昨年末時点で555医療機関が登録している。08年に報告された事故のうち、死亡事例は152件、障害が残る可能性が高い事例は154件だった。このうち薬剤に関わる事故は、死亡事例5件、障害の残る可能性が高い事例5件となっている。

 医療事故の発生場面としては、「療養上の世話」が655件で最も多く、以下、「治療・処置」373件、「ドレーン、チューブ類の使用・管理」104件と続き、「薬剤」は92件だった。

 薬剤関連のうち、最も多いのは静脈注射(21件)で、次いで内服(19件)、末梢静脈注射(14件)が多い。事故の内容では、過剰与薬(14件)、薬剤間違い(13件)、患者間違い(9件)など、処方や与薬に関わる事故が81件を占め、調剤や製剤管理に関わるものは11件だった。

 さらに、薬剤による事故に関連した診療科については、内科が15件、循環器外科が9件、小児科が8件、脳神経外科が7件となっている(重複あり)

 また年報では、JCQHCが薬剤に関連していると判断した事例を加えた132件を対象に、事例を個別に分析した結果を掲載している(表1)

 それによると、業務の流れ6段階に分けた場合、[1]指示で26件[2]指示受け・申し送りで6件[3]準備で33件[4]実施で53件[5]実施後の観察および管理で9件[6]その他で5件――の事故が起きており、特に実施段階での発生が目立つ。

 具体例をみると、「指示」段階では、抗癌剤の処方間違いや、禁忌薬を患者投与した事例が起きており、「指示受け・申し送り」段階では、口頭指示をした際に単位が明確に伝わらず、薬剤を患者に過量投与した事例などがあった。

 また、「準備」段階については、輸液ポンプの流量設定を間違えるなどの事故が起きたほか、「実施」段階では、輸液の血管外漏出に関する事例が目立った。さらに、「実施後の観察および管理」においては、薬物アレルギーに関する事例が起きている。「その他」では、患者が自己管理している内服薬に関連した事例などがあった。

ヒヤリ・ハット、確認不十分が要因

 一方、ヒヤリ・ハット事例の収集に参加しているのは、昨年末時点で1137医療機関。薬剤に関連する作業におけるヒヤリ・ハット事例は5万7659件で、このうち、4万6952件が処方や与薬の場面で起きており、事例全体の21%を占める。

 このほか、調剤・製剤管理等で6302件、与薬準備で4405件がそれぞれ発生していることが分かった。

 事例全体について発生要因をみると、「確認が不十分だった」とする報告が24・4%と最多で、以下「観察が不十分だった」が12・6%、「心理的状況(慌てていた・思い込み等)」が10・2%と続く。また、処方・調剤・与薬等の作業中の発生要因も、確認が不十分だったが最も多く、このほか、心理的状況や勤務状況に起因するものが多く報告されている。

 なお、医療機関内で最も多くヒヤリ・ハットが起きた場所は、病室の12万3821件で、他にナースステーションの2万2834件、手術室の7273件、ICUの6553件、薬局・輸血部の5272件と続く。

 また、薬剤に関連したヒヤリ・ハット事例3042件について発生段階をみると、準備段階や実施段階が8割程度を占め、特に準備段階における薬剤の量間違いや、実施段階の速度間違い(点滴速度)が多い(表2)

 さらに、禁忌薬に関連した事例168件の発生状況では、実施や指示の段階で8割程度を占め、特に、実施段階の配合ミスや,薬物過敏患者に対する投薬指示ミスが多いことが分かる(表3)




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