佐藤製薬は、医療用の抗ヘルペスウイルス薬「ビダラビン」を含有した、口唇ヘルペス再発治療薬「アラセナS」(第1類医薬品)を16日に新発売する。新製品は、持田製薬の医療用医薬品で「帯状疱疹、単純疱疹」の適応を持つ抗ウイルス剤「アラセナ‐A軟膏3%」を、スイッチOTC医薬品として開発したもの。売上目標は発売から1年間で5億円(出荷ベース)
スイッチOTC化の新スキームなどによって、スイッチOTCが促進されている。同社でも、従来のOTC医薬品にない薬効をターゲットに、積極的な開発に取り組み、現在まだ市場に1成分2製品しかなく、市場が拡大する可能性のある口唇ヘルペスに着目し,アラセナSを発売することになった。
アラセナSは、医療用成分の「ビダラビン」を配合した初めてのOTC医薬品。ビダラビンは、口唇ヘルペスの原因となる単純ヘルペスウイルスの増殖を抑え、症状を軽減するなど、発症から治癒するまでの期間を短縮する働きがある。医療用として数多く処方されており、薬剤師や消費者にも認知されている。また、ウイルス耐性が起こりにくいという特性があるため、OTCの再発治療薬として使用するのに最適だと判断した。 アラセナSは、医療用で使われているアラセナ‐A軟膏3%と同様、3%のビダラビンを配合。1日1~4回の使用で優れた効果を発揮する。再発治療薬として、「ピリピリ、チクチク」という前駆症状から、「赤み、水ぶくれ、痛み」などの発症期や回復期の症状まで、7日~2週間程度の口唇ヘルペスの各段階のどこからでも使用できるほか、特に早期の使用で治療までの期間を短くできる。
同社では新製品の発売に合わせ、情報提供のためのツールや薬剤師向け勉強会の実施など、適正使用のためのツールを充実させていくことにしている。また、口唇ヘルペスは女性患者が多いこともあり、12月後半からは女性誌を中心に広告宣伝を展開する予定だ。
口唇ヘルペスのOTC市場は、08年度で13億3000万円だが、同社は「全体的にまだ拡大が見込める市場だと思う。アロセナSを発売することによって、市場の伸長につながればと思っている」としている。