持田製薬の持田直幸社長は25日、都内で開いた記者懇談会で、4月から「新薬創出・適応外薬解消等促進加算」が試行的に導入される一方、長期収載品の薬価が大幅に引き下げられる新薬価制度に言及し、「当社もこれまで以上に厳しい局面を迎えている」と危機感を示した。ただ、当面の対応については、「着実に事業を進めていくしかない」として、ビジネスモデルの生産性をさらに高め、将来を見据えた事業活動に取り組むことで難局を打開したい考えを強調した。
「長期収載品比率が80%以上」(持田氏)とされる同社は、新薬価制度の影響を大きく受けるものと見られている。持田氏も記者との懇談で、「今年は厳しい」と認めたが、事業を集約化する可能性については「新薬創出加算の影響がどうなるか分からない中で、事業の決め打ちは難しい」と否定。当面は医療用医薬品、ジェネリック医薬品(GE薬)、OTC医薬品の全方位展開を維持する方針を述べた。
また、医薬品事業では、「EBM情報の活用」を強調。主力の高脂血症治療薬「エパデール」の価値最大化に加え、持続性カルシウム拮抗薬「アテレック」の地位を向上させるとした。
一方、長期的な方針として、「グローバルに存在価値を認められるスペシャリティーファーマ」を目指していく方針を表明。持田氏は「中堅製薬企業も海外に進出せざるを得ない」との認識を示したが、具体的な方向性については「これから検討していく」と述べるにとどまった。