重篤副作用総合対策検討会は2月25日、患者と医療従事者が副作用の初期症状に早く気づき、対処できるようにする「重篤副作用疾患別対応マニュアル」に、頭痛や重度の下痢など14副作用を追加することを概ね了承した。検討会の意見を踏まえて文言を修正し、厚生労働省や医薬品医療機器総合機構のホームページなどで公開する予定。
マニュアルは、副作用の早期発見・早期対応を図ると共に、臨床現場で遭遇した症状が、副作用かどうかを判別するためのもので、注意すべき初期症状や早期対応の方法、必要な検査、検査画像、発症機序、典型症例などを記載している。
今回、新たに追加される副作用は、▽血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)▽へパリン起因性血小板減少症(HIT)▽ネフローゼ症候群▽急性好酸球性肺炎▽肺胞出血(肺出血、びまん性肺胞出血)▽重度の下痢▽手足症候群▽新生児薬物離脱症候群▽セロトニン症候群▽アカシジア▽運動失調▽頭痛▽難聴(アミノグリコシド系抗菌薬、白金製剤、サリチル酸剤、ループ利尿剤による)▽薬剤による接触皮膚炎――の14種類。
委員からは、「頭痛」のマニュアルに、市販の鎮痛薬を服用し続けることなどが原因で起こる「薬物乱用頭痛」について、注意を促す一文を書き加えることを求める意見が出た。
マニュアル作成は、厚労省の「重篤副作用総合対策事業」として2005年度から4年計画で行っており、10年度まで継続する。既に49副作用について公表しており、今回分を加えると63副作用となる。現在、九つの副作用マニュアル策定が行われている。