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共用試験は好結果、実務実習本番へ

2010年4月2日 (金)

 いよいよ来月から薬学教育6年制の象徴である、参加型の長期実務実習がスタートする。この初めての実務実習開始に先立ち、3月末に開かれた日本薬学会第130年会では、共用試験、つまりCBTとOSCEの実施結果が報告され、最終的に99%が合格基準に達したという。

 こちらも先行していた医学・歯学教育に続き、薬学としては初の共用試験だった。医科系のシステムに便乗することは避け、薬学単独で共用試験センターを立ち上げ、システム構築を進めてきた。また、CBTについては大学間で「正答率60%以上を合格とする」ことを確認し、「普段の勉強で受かるレベル」の約9000題に及ぶプール問題を作成した。

 旧4年制学生諸君の協力を得て、何度もシミュレーションが実施され、出題と回答についての解析を繰り返し、質・難易度のブレ修正などを行い、薬学独自のCBTシステムを創り上げてきた。

 OSCEについても、CBTと同様、初の取り組みのため、早くから配布された課題をもとに、大学側は学生には“極秘裏”に機材等の搬入、実際の試験を想定した学生動線の制御についての検討を進め、これに先駆け、多くの模擬患者の養成も行ってきた。

 これら一つひとつの作業に、各大学・教員側はこの数年来、膨大な知力・労力を費やしてきた。両試験が共に99%以上という高い合格基準が得られたことは、学校関係者の努力の跡を物語っているといえよう。

 CBTでは過去のトライアルと体験受験で、平均正答率が60%前後であったため、多くの大学関係者から本番が心配されたが、結果としては平均正答率は82・8%に達した。年会で説明した静岡県立大学の奥直人氏(薬学共用試験センター試験統括委員会委員長)も、「多少心配はしたが、非常に高い正答率を得た。8割の学生ができる問題を想定していたので、理想的な結果になった」と報告した。

 この結果は、各大学がそれぞれにホームページ上で公開することとなっている。先輩である医学部・歯学部では共用試験結果が公表されないのに対し、薬学では非常に厳密に行おうとしている姿勢が評価されよう。

 さて、最終的にCBTの受験者は9402人、“合格”は9339人(基準到達率99・33%)。OSCEは9412人の受験に対し9411人で、“落第”は1人のみという好成績であった。

 井上圭三氏(全国薬科大学長・会部長会議会長)は、昨年末頃から、最悪の場合には、全国の学長・学部長に集まってもらい、対応策を検討する必要があると公言していただけに、一安心というところだ。もちろん、先が見えないストレスの中で頑張った学生諸君にも拍手を送りたい。

 井上氏は、「毎年毎年、大学の先生方が、これほどまで注意深く共用試験に取り組んでいくとなると、教員としての“本分”がどこにいってしまうか心配」と、教員側の負担増大を懸念する。来年度は、実習を終えた6年次の授業と、4年次の事前実習等も同時進行となる。

 一方、「同じ質の高い実習が、どれほど行われるかについては、懸念を感じている」とも漏らす。かつての“任せきり”はないと思うが、強く6年制を熱望した「先輩方」には、軽く「懸念」を吹き飛ばしていただきたい。




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