医療用医薬品製造販売業公正取引協議会は都内で開いた総会で、2009年度に発生した規約違反の処理事案が、前年度の2件から17件と急増したことを明らかにした。大半は医療担当者の接待強要が要因で、公取協では「これまで埋もれた事案が表面化した。それだけ社会の目が厳しくなった」としている。また総会では、昨年9月の消費者庁創設に伴う景品表示法の改正を受け、規約改正を了承。併せて任期満了に伴う役員改選も行い、新会長に庄田隆氏(第一三共社長)を選出した。
総会で行われた09年度事業報告では、支部における規約違反事案などの取り扱い状況が報告された。本部調査委員会で調査した事案は1件、支部で処理した事案は支部相談グループで処理した事案を含めて27件に上った。
支部で規約違反として処理した事案は17件と前年度の2件から急増。大半は医療担当者からの接待強要で、自社医薬品説明会後の飲食代・タクシー代を提供したなど10件に「指導」、公務員の医療担当者に飲食接待を行ったなど7件に「注意」を行った。規約違反が急増した要因について、公取協は「これまで埋もれていた事案が表面化した結果。それだけ一般社会の業界を見る目が厳しくなった」としている。