仏サノフィ・アベンティスと日医工は5月31日、共同出資会社「日医工サノフィ・アベンティス」の設立を受け、都内で共同記者会見を行った。日医工の田村友一社長は、「サノフィと日医工のリソースを相互に活用し、新たなビジネスモデルで日本の新しいジェネリック医薬品(GE薬)市場を創造したい」と語った。一方、サノフィ・アベンティス日本法人のパトリック・ショカ社長は「これまで長期収載品の販売移管で信頼関係を築いてきた」と強調。「今回の提携はサノフィにとっても、国内GE薬市場参入の第一歩を踏み出す重要な機会になる」と述べた。
6月中に設立予定の合弁会社には、サノフィから4名、日医工から4名の取締役が就任する。まだ品目数や販売計画は決まっていないが、長期収載品に加え、サノフィグループのGE薬を日本で展開する予定。サノフィの原料も日医工が優先的に購入し、より安価で高品質のGE薬の製造を目指していく考えだ。
また、田村氏は「合弁会社では、様々な可能性を検討できる」とし、オーソライズド・ジェネリックとして市場投入する可能性も示唆した。バイオ後続品についても「共同開発のテーマ」と明言。「合弁会社として、5年間の中で一定の成果を求めていきたい」との方針を明らかにした。
その上で、田村氏は「日医工が世界で戦うために、どこよりも強いパートナーを選んだ」と提携の意義を強調。「今後は世界と競争できるGE薬メーカーが勝ち残れる。グローバル製薬企業のサノフィと提携することで、日医工の存在感が格段に増し、今後の海外戦略に必ずプラスになる」と語った。
一方、ショカ氏は、「これまで長期収載品の販売移管で信頼関係を築き、品質に妥協しない姿勢を共有してきた」と日医工との関係を強調。「今回の提携はサノフィにとっても、GE薬市場参入の第一歩を踏み出す重要な機会になる」とした。今後、抗血小板薬「プラビックス」を始め、主力品の特許切れを迎えた場合の対応については、「あらゆるオプションを検討していきたい」と述べるにとどめた。
仏サノフィ・アジア太平洋担当シニアバイスプレジデントのオリビエ・シャーメイユ氏は、「日本のGE薬市場は品質を重視する市場になる」との見方を示し、「日医工とは品質の考えが共通しており、高品質で競争できる」と合弁会社の成功に自信を示した。また今回、日医工の発行済み株式の4・66%を取得することになったが、さらなる買い増しの可能性については「予定はない」と否定した。