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【臨床検査センター】消毒薬入手に弊害‐新販売制度で卸業者扱えず

2010年7月12日 (月)

 一般薬の新販売制度によって、医療機関の臨床検査を受託する「臨床検査センター」で、感染対策に使用する消毒薬が入手困難になる可能性のあることが分かった。消毒薬は、手指消毒だけでなく、飛散した血液や体液を処理する際にも用いられ、欠かせない医薬品の一つ。大量に使うため、主に医薬品卸が供給している。しかし、昨年6月の改正薬事法の施行で、消毒薬は卸売業者が販売できる医薬品から外れたため、法律上は供給できなくなった。ただ、改正薬事法施行前に都道府県の販売許可(6年間有効)を取得・更新した卸売業者は、残存期間に限って販売できるなどの措置があり、いまのところ大きな混乱はないが、現場からは、残存期間終了後に入手困難になるのではと懸念する声が上がり始めている。

 新販売制度施行前は、都道府県知事が与える医薬品の販売先等変更許可を、卸売業者が取得すれば、学校などの教育機関や検査センター、研究所などにも販売することができた。販売可能な医薬品は、検査試薬をはじめ、ワクチンや殺虫剤など多岐にわたり、都道府県によって幅をもたせていた。

 しかし新制度では、現在は卸売業者の販売先が、病院や診療所をはじめ、薬局、医薬品の製造販売業者などに限定されており、販売可能な医薬品も厚生労働省が一律に規定。検査センターについては、検査を行うに当たり必要な体外診断用医薬品と、試験検査に使用される標準品に限定している。標準品は、抗生物質の薬剤感受性試験を行う製品のことで、消毒薬は含まれていない。

 そのため、関係者が厚労省に問い合わせたところ、法律施行後は、「薬局から購入することになる」との認識を示したという。ただ、検査センターが使う消毒薬の量は膨大で、関係者は「近くの薬局で買ってくれば済むというレベルではない」と話す。

 実際、現場ではどのような対応をしているのだろうか。新制度のもとで卸売販売業の許可を得ていない卸業者については、“みなし卸売販売業”として、法改正前の枠組みで運用することになっており、法律施行前に都道府県の販売先変更許可を取得・更新していれば、従来通り医薬品の販売が行える。

 例えば、法律施行直前の昨年5月に許可を取得していれば、ほぼ6年の残存期間を手に入れることができる。そのため、“駆け込み更新”した卸売業者も少なくないという。関係者は、「それで助かっているケースが多いのでは」と話す。

 ただ、全国に複数の営業所を有する大手の卸売業者の中には、営業所によって残存期間が異なると社内管理が複雑になるため、施行後に販売先が限定される新制度にあえて切り替えたところもあるという。

 また、大手検査センターの多くは、試薬の製造などを行っており、卸売業者が医薬品を販売できる製造業者に該当する。そのため、大手検査センターは法改正の影響はないと考えられるが、地方のラボや中小検査センターなどは製造部門を持っていないことが多く、入手困難になることが予想される。

 厚労省は、「現場で不都合が生じないようにすることが前提となるが、法律の解釈は検査センターの設置主体が民間か、都道府県なのかなど個別の事例によっても異なってくる」と説明。現場の疑問点を解消するためにも、運用面での基本的考え方を示した「Q&Aの作成を急ぎたい」との意向を示している。




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