厚生労働省医薬食品局安全対策課は、虫除けに用いられているディート製剤について、副作用の発生状況や安全性に関する国内外の研究結果等の定期報告を廃止し、通常の副作用等報告に切り替えることを決めた。
ディート製剤をめぐっては、2005年に国民生活センターからの指摘を受け、厚労省が検討会を開催。安全対策について議論した結果、販売停止とする科学的根拠はないものの、使用方法の記載が不明確な製品が、国内で多数流通していたため、濃度や使用の目安を記載するなどの対応を講じた。さらに、同年8月に安全対策課長通知で、定期報告と神経系への影響に関する試験の実施を定めた。
これに基づいて、ラットで4週間の経皮投与や持続皮下投与による神経毒性試験を行ったところ、末梢神経系や中枢神経系への影響が認められず、定期報告でも、添付文書の改訂といった、特段の安全対策が必要な副作用や研究報告はなかった。
そのため、薬事・食品衛生審議会の部会・調査会は定期報告が不要と判断した。