一般薬の新販売制度に関連して、今年度は各都道府県で、前年度をはるかに上回る立ち入り検査が実施されていることが分かった。薬局に対しては、前年度比約20倍の607件、店舗販売業でも4倍近い466件の立ち入り検査が行われていた。日本薬剤師会の行政薬剤師部会が実施した調査で明らかになった。
調査は今年8月に、全国47都道府県の薬務主管課を対象に実施した(回収率100%)
新販売制度の施行に伴う、一般薬販売に関する住民からの苦情・相談では、▽資格者不在で販売している▽資格者と一般従業員との区別が不明確▽専門家による情報提供がなされていない▽薬剤師不在で第1類薬が購入できなかった--などの内容が多かった。
また、4~8月に、住民からの苦情・相談や厚労省の覆面調査結果を受け、対象となった薬局や店舗販売業に立ち入り検査を実施したのは、39都道府県(前年度は21都道府県)で、事例数は薬局607件(29件)、店舗販売業466件(118件)で、いずれも前年度より大幅に増えていた。
立ち入り検査の具体的事例は、▽名札の未着用▽リスク分類別の陳列が不明瞭▽情報提供の不徹底▽薬剤師・登録販売者の不在--などだった。
郵便等販売の届け出を行っている薬局は、44都道府県で2335軒。44都道府県の薬局数(4万7319軒)に占める割合は、4・93%だった。うち、「第3類薬の郵便等販売の届け出を行っている薬局」は705軒、「経過措置の届け出」を行っているのは427軒だった。
一方、郵便等販売を行っている店舗販売業(一般販売業・薬種商販売業を含む)は1470軒で、店舗販売業等に占める割合は7・61%だった。
登録販売者については、今年7月末時点で登録販売者名簿に登録されているのは8万0371人で、昨年度調査より約2万人増加した。登録販売者の資質向上では、「研修会・講習会を実施」「関係団体の研修会に講師を派遣」などが行われていた。