日本薬剤師会は10日、2010年度上期の「保険調剤の動向(全保険)」を発表した。例年、分業率が下がる5、6月を含め、いずれの月も60%を超え、平均値で62・2%に達し、今年度も分業率は高くなる見込みが強くなった。また、4、5月の2回だが、秋田県で初の80%台を達成していたことも明らかになった。上半期の状況を前年同期と比べると、件数で4・4%増、枚数・金額でも4%近い伸び率となっている。
処方せん受取率、いわゆる分業率が60%台に達したことは、今年夏の日薬調査で明らかになっていたが、今年度(3月~11年2月)の上半期調査でも、各月とも60%台を達成。通期で記録を更新することがほぼ確かとなった。
例年、分業率は3月をピークに6月まで下がり、7月以降高くなるが、今年度は3月62・7%、4月63・4%、5月62・5%、6月61・4%と60%台を割らず、7月以降も61・7%、8月61・3%と、確実に60%台を維持した。上半期平均は62・2%で、前年同期の59・8%と比べ、今年度は6割分業となることが確実視される。
件数に関しては、上半期で2億7100万8530件、前年同期の2億5947万7337件に比べ、4・4%の増加となった。また、処方せん枚数も3億6494万2481枚(前年同期比3・8%増)、金額では2兆8534億0983万円(3・9%増)となり、堅調な伸びを示している。
都道府県別に見ると、特筆されるのは、秋田県が4月調剤分で分業率82・4%、5月も80・9%と、初の「分業率80%台」を達成したこと。分業率の月別パターンからすると、夏にかけて低率なり、夏以降に回復する傾向があり、再び80%台を記録する可能性も高い。
一方、上半期平均の処方せん1枚単価は7818円で、前年同期の7818円と同じだった。