武田薬品は21日、消炎酵素製剤「ダーゼン」(一般名:セラペプターゼ)を市場から自主回収すると発表した。同社が行ったプラセボ対照比較試験で有効性を示せなかったことから、厚生労働省が再試験の検討を指示していたが、最終的に有効性を証明できないと判断。再試験の実施を断念した。
ダーゼンをめぐっては、1995年に行われた再評価で、承認条件として厚生労働省から必要なデータを揃えるよう求められていた。そこで武田薬品は、自主的に慢性気管支炎、足関節捻挫を対象とした3試験を実施したが、プラセボに比べて有効性を示すことができなかった。
これを受け、1月19日に開かれた厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品再評価部会は、現在の医療環境でダーゼンの有効性を検証する再試験の実施を指示。同社は再試験の実施に向け、試験デザインを見直す方向で検討を進めてきたが、最終的に有効性を証明することが難しいと判断。市場に出回っているダーゼンを自主回収することを決めた。
ダーゼンは、1968年から国内で販売され、長く去痰剤などとして使用されてきた。09年度の売上高は67億円。