シスメックスは、片倉工業の生物科学研究所を4月1日付で譲受する。同研究所は、診断薬の原料となる蛋白質を、カイコを用いた遺伝子組み換え技術によって生産している。その技術を、診断薬製品の開発・生産技術力の強化に役立てる。
一部の診断薬には動物由来原料が使われるが、世界的な使用量の増加や、動物での感染症流行によって、安定供給に影響が生じる。シスメックスは、動物由来の原料に依存しない診断薬の開発や、医療的価値の向上を目指し、蛋白質を設計・量産する技術の強化を進めており、同研究所の技術を取り込むことにした。これまでに片倉工業が受託してきた蛋白質生産サービスはそのまま継続する。