厚生労働省は今月31日から、感染症法で新型インフルエンザ等感染症として扱っているA/H1N1を、通常の季節性対策に移行し、「インフルエンザ(H1N1)2009」とすることにした。東日本大震災の発生を受けて、厚生科学審議会感染症部会の会合が中止となったため、持ち回り審議で決定した。
厚労省は、世界保健機関(WHO)の声明を受けて、09年4月に、感染症法に基づく新型インフルの発生を公表した。その後、WHOのポストパンデミック宣言を踏まえ、政府の対策本部が10年8月に、季節性と異なる大きな流行といった特別な事情が生じない場合には、今年度末をメドに、通常の季節性対策へ移す方針を確認していた。
厚労省は、今シーズンの状況が、[1]季節外れの大規模な流行がない[2]季節性と同程度の流行規模[3]複数のウイルスが混在[4]季節性と類似の臨床像――で、「季節性と異なる特別な事情は生じなかった」と判断した。
今後、全医療機関を対象に、重傷者や死亡者の臨床情報の報告を求めていた「重症サーベイランス」は、入院時の医療対応のみを報告する恒久的制度「入院サーベイランス」(全国約500カ所の基幹定点医療機関が対象)に見直す。新たな仕組みは、7月に省令改正し、次のシーズンを迎える9月から開始する予定。