“居宅指導”の事務負担を軽減
サンケアタカサ(本社・長野県上田市)は、介護福祉関連ソフトウェアの開発・製造・販売および保守を主たる事業の柱としている。親会社は、千葉県を中心に50店舗ほどの薬局事業、介護福祉関係事業を展開するタカサ。タカサの薬局では早期から患者宅への“訪問指導”を行っていたが、介護保険では業務に関わる書類管理が繁雑で、その対応策を模索していた。その事務処理を標準化、効率化しようとの発想から、M&Aによる別会社・サンケアタカサを設立、社内向けのシステム開発を行うこととなった。
開発された居宅療養管理指導ソフトは、薬局薬剤師が居宅療養管理指導を行う上で、「必須となる事務負担を軽減したい」という、必要から開発されたソフトウェアシステム「薬だてさん(やくだてさん)」だ。 「薬だてさん」は、居宅療養管理指導サービスを提供するに当たって、必要な書類である計画書作成をはじめ、訪問服薬指導内容、報告書、訪問スケジュール管理、介護保険請求や利用者請求など、薬剤師業務を広く支援する。
東京支社長の鎗田吉正氏は、「自社用に開発している部分もあり、金額は抑えている。薬剤師さんが居宅療養指導で外へ出て行くことを補助するためのツールとして考えている」とし、「無料体験版」からの導入を勧める。
介護保険は、医療保険と似ているようだが、必要な書類、請求関係で異なっている。同ソフトは計画書、薬歴、報告書を作り、医師やケアマネなどに送付するなどの実務をバックアップする。法律上、必要な文言等はあるが、「それ以上に薬剤管理、適切な服薬指導・支援を実効あるものとするための項目が盛り込まれている」という。例えば服薬指導内容の項目に「体温記入欄」が設けられるなど、多職種間での情報共有、連携支援ツールにもなっている。
服薬指導内容に、「処方データ」を取り込めるため、入力ミスや入力の手間を省く。ただ、患者情報や処方せん情報、医療機関医師の情報を、レセコンから「薬だてさん」に取り込むまでの対応はあったが、ユーザーから「薬歴を二重に書くのか」との指摘があり、薬歴メーカーのズーと連携、「薬だてさん」上で書いた薬歴内容が、ズーのシステム「GENNAI7」に反映するよう相互連動させた。今後とも、他のレセコン・電子薬歴メーカーと広く連携を図っていく意向だ。
介護給付費請求書・明細書や伝送データの作成、利用者請求書と口座振替データの作成が、クリック操作レベルで簡単に行える。作成した書類の訪問予定日・配薬期間などが、カレンダー形式の画面へ自動で反映され、日々のスケジュール管理が簡単に行える。多岐にわたる業務の効率化、事務業務にかかる時間削減に貢献する。
サンケアタカサ株式会社
http://www.suncare.takasa.co.jp/