◆WHO専門組織の国際がん研究所(IARC)が、携帯電話の電磁波と癌発症リスクとの関連性を初めて指摘する調査結果を発表した。「聴神経腫瘍や脳腫瘍の一部である神経膠腫を引き起こす危険性が限定的ながら認められる」というもので、日本でも反響を呼んでいる
◆31人で構成されるIARCのグループが、過去の欧米での研究、動物実験の結果などを検証し、「1日30分間、10年間以上使い続けると、神経膠腫の発症危険性が1・4倍になる」という過去の研究結果が紹介された
◆IARCでは、発癌性の評価を高い順に1、2A、2B、3、4の5段階に設定しているが、携帯電話の電磁波は2Bに分類。クロロホルムや鉛、ガソリンエンジンの排ガス、コーヒーが生体に及ぼす影響と同レベルの発癌性を指摘している
◆とはいえ、携帯電話の電磁波のリスクについては、因果関係を立証する研究がないのが現状。IARCの発表は、被害拡大防止を目的としたものだと思われる。科学的な立証を裏づける大規模な疫学調査などの進展に注目したい。
携帯電話の癌発症リスク
2011年06月10日 (金)
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