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登販者試験の不正受験なくせ

2011年6月10日 (金)

 各都道府県が実施する今年度の登録販売者試験概要が公示され、全国各エリアでの試験日程がほぼ出揃った。3月の東日本大震災で未曾有の被害を受けた東北エリアは、震災や福島第1原子力発電所事故の影響などを受け、福島県が当初8月に実施予定の試験を延期することを公表したが、試験自体は実施の方向で進められている模様だ。

 登録販売者試験は2008年度にスタートし、今年度で4年目となるが、合格者はこれまでに延べ9万人を超え、今年度中には10万人を超える勢いである。

 いまや、医薬品小売店では「登録販売者」のプレートをつけた販売員の姿も散見されるようになり、医薬品販売の専門家としての認知も進んでいるようだ。

 その一方で、昨年度は、特に試験の受験資格に必要な実務経験証明書を偽装するなどの不正受験が発覚して、処分された事例が少なくなかった。昨年度に本紙が確認できただけでも複数の府県で、▽合格取り消し▽受験願書取り下げ▽販売従事登録の消除――などの処分が公表されている。

 実務経験証明書の偽造は確信的なものか、認識不足によるものかは、かなりグレーで分かりにくい点でもある。また、その発覚は多くのケースで内部告発的な情報提供に頼らざるを得ないのが実情となっている。

 さらに、以前にも指摘したが、薬事法施行規則の実務・業務経験の証明に関する規定では、「虚偽又は不正の証明を行ってはならない」とされてはいるが、偽りの証明書を作成した事業者に対しては、行政処分の根拠となる罰則規定が設定されていないことも問題なのかもしれない。

 こうした中で、昨年度に実務経験証明書の虚偽証明に絡んで、多数の受験資格取り下げ処分を行った奈良県は、今年度の試験を前に不正再発防止のための異例の告知を行っている。

 それによると、不備・不正な証明による受験を防止するため、全受験者のうち、何人かを無作為抽出し、『実務経験実態調査』を実施するというもの。また今後、実務経験などの項目不備をチェックするリストを作成し、受験申請者に配布する考え。同県薬務課でも受験書類チェックのハードルを上げて「引き締め」を図る方針のようだ。

 実施主体が各都道府県ということもあり、こうした取り組みが一部の自治体のみではなく、全国レベルで実施されることも今後の状況次第では必要になると思われる。

 本来、実務経験証明の記載は、申請者の自己申告による記載に基づき、それを発行者が証明するという、いわば信頼に基づいた行為であるはず。

 特に生命関連商品に携わることになる登録販売者の試験という入り口の部分、それを不正する受験者と証明証発行者には、もとから医薬品販売の資格はない。




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