働く意義まで踏み込んだ教育
実習とリンクした医療マナー講座
実学教育・人間教育・国際教育を建学の理念に、「働きながら学ぶ」という教育システムを通じて、現場力の養成に力を注ぐ日本医歯薬専門学校では、現場実習とタイアップしたきめ細かい“医療マナー講座”を導入。人間力をアップさせることで、より深い接遇力を身につけた学生の育成を目指している。
同校ではこれまでも現場実習に入る際には、導入教育として基本的な接遇マナーの演習を実施してきた。これを今年度卒業する学生に対しては、“医療マナー講座”として、ビジネスマナーと患者接遇を組み合わせた、より深い働く意義にまで踏み込んだ内容へと昇華させ、さらなる現場力育成に取り組んだ。

栗田氏
講座は1年次の夏から約1年間行われる現場実習中、継続して学生をフォローアップする形で行われる。学生が実習中に悩んだり困ったことをそのつど書き出し、個人を特定できない形で講義資料とする。その上で、学生全員でディスカッションすることで、学生は自分の悩みを客観視できるようになるという。
講座を担当する、薬剤師で医療マナー講師の資格も持つ栗田瑠美子氏は、「例えば、実習先の上司が嫌いと思ってしまうと、そこで思考はストップし、その後の顧客対応で、どう改善しようとまで考えが進まなくなる」とし、継続したフォローと様々な人間関係の分析によって悩みを中和することが重要とする。

白衣姿で真剣に講義を聴く学生たち
栗田氏が教えてきた“接遇マナー”は社会人としての道徳意義や働くことの意味など、キャリア教育的内容までも含む。ゆとり教育世代の学生たちは、こうした講義に触れたことがない人も多く、「初めて聞く内容ばかりだった」と、講義が役立ったとアンケートに書いている。
働く意義にまで踏み込んだ医療マナー講座がいかに学生を変化させたかは、就職内定率に顕著に表れている。実習先の某企業では、実習に来た学生全てに内定を出すなど、好評を得た。次世代の薬局を担う人材を、今後も多く輩出していくだろう。
日本医歯薬専門学校
http://www.ishiyaku.ac.jp/gakka/hanbai1/