塩野義製薬は1日、中国の製薬企業「C&Oファーマシューティカル・テクノロジー」を買収すると発表した。C&Oの筆頭株主「レオ・スター・ディベロップメント」から、発行済み全株式の約24・17%を取得後、公開買い付けを実施し、約66%の株式を取得を行う予定。買収総額は、約2億1900万シンガポールドル(約143億円)となる見込み。塩野義は、C&Oを買収することで、拡大が見込まれる中国市場に本格参入し、グローバル展開を加速させる方針。
今後、塩野義は、筆頭株主のレオ・スターからC&Oの発行済み全株式の約24・17%を取得するのに加え、公開買い付けを実施し、市場に流通している発行済み全株式の、約41・83%の取得を目指す方向。公開買い付けが順調に進めば、持株比率が合計で約66%となり、C&Oを子会社化できる見込み。株式取得後は、住友商事が約29%、レオ・スターが約5%と、3社でC&Oの株式を保有する。
塩野義は、2014年度を最終年度とする第3次中期経営計画で、アジアにおける開発・販売の拠点整備を積極化する方針を掲げ、特に中国事業を重点地域に位置づける。ただ、中国では、抗生物質を輸出し、現地企業に販売委託する事業展開にとどまり、自社販売体制の整備が遅れていた。
こうした中、中国で研究開発・製造・販売機能を持ち、抗生物質「フルマリン」の販売委託で協業していたC&Oを買収し、中国市場に本格参入を図ることになった。今後、C&Oが持つ中国国内の販売網を獲得し、自販体制を構築。日本・米国に加え、中国で事業基盤を築き、グローバル化を加速させる方針だ。