バクスターは、全身吸入麻酔剤「スープレン吸入麻酔液」(一般名:デスフルラン)の販売を開始した。国内で全身吸入麻酔剤の新薬が発売されるのは、21年ぶり。
スープレンは、全身麻酔の維持を適応とした、揮発性の吸入麻酔剤。血液への溶解度を示す血液/ガス分配係数が、他のハロゲン化麻酔剤に比べて最も小さく、速い麻酔作用の発現と麻酔後の早期の覚醒・回復が期待でき、麻酔深度が調整しやすいのが特徴。
また、腎臓や肝臓でほとんど代謝を受けないため、慢性肝疾患や慢性腎疾患患者、腎移植患者、生理機能が低下した高齢者にも高い効果を示し、国内臨床試験では、吸入麻酔薬として98・8%の有効率が確認されている。
既に海外では、世界67カ国で承認済み。
用法・用量は、成人には、デスフルランとして3・0%の濃度で開始し、適切な麻酔深度が得られるよう患者の全身状態を観察しながら、濃度を調節する。
薬価は、43・70円/mL。