厚生労働省は、「薬局のかかりつけ機能に係る実態調査」を実施する。かかりつけ薬局機能やお薬手帳、在宅医療、各種管理料の加算・算定など、幅広く薬局機能に踏み込んだ調査を行う。厚労省によるこうした調査は初めてのこと。調査結果は、次期調剤報酬改定に向けた検討の基礎資料にする。
調査対象は無作為に抽出された全国1000施設の保険薬局。20日までの回答を求めている。調査項目は、▽薬局の組織形態▽各種調剤技術料の算定や加算▽時間外・深夜・休日対応▽薬学管理料の算定・加算▽お薬手帳▽在宅医療・介護への取組▽薬局のかかりつけ機能--など50項目に上る。
薬学管理では、前回改定で新設された「特定薬剤管理指導加算」対象の、ハイリスク薬処方をどれほど受け付けているかについて、薬剤の内訳や加算の算定率などを質問する。同時に、ハイリスク薬に係る薬学的管理指導をする上での課題も質問に盛り込んだ。
お薬手帳については持参する患者の割合を、▽必ず持参▽大体持参▽ほとんど持参しない▽持っていない--など、詳細に調査する。
在宅医療では、在宅での薬学管理について、医師を除く他職種からの相談の有無や、相談への対応、対応をしなかった場合の理由、薬局の負担内容を調べる。「在宅患者訪問薬剤管理指導料等」の算定関連では、訪問する時間帯や交通費の徴収の有無、薬学管理をしても指導料を算定していない場合は、その理由なども聞く。
このほか、多職種間での情報共有方法、退院時共同指導への参加、訪問薬剤管理指導を始めたきっかけなど、在宅現場の詳細な実情も調べる。さらに在宅における薬学管理を進める上での課題や、医療保険と介護保険との制度上の問題についても自由記載を求める。
かかりつけ薬局機能では、調剤目的での来局者数と調剤以外での来局者数のほか、かかりつけ薬局のあるべき姿についても聞く。