イスラエルのテバ・ファーマスーティカル・インダストリーズは26日、ジェネリック医薬品(GE薬)を手がける興和との合弁事業を解消すると発表した。テバは、興和が保有する全株式を1億5000万ドル(約114億円)で買い取り、合弁会社の興和テバを完全子会社化する。ただ、現段階で興和テバと7月に買収した大洋薬品を、どう位置づけるかは未定。これにより、テバの日本売上高は、両社合算で600億円以上に拡大するものと見込まれ、競争の激しい国内GE薬市場で攻勢をかける。
テバは、2008年9月に興和と提携し、両社で50%を出資して合弁会社「興和テバ」を設立。日本のGE薬市場に本格参入を果たした。その後、興和テバは15年に売上高1000億円の目標を打ち出し、中堅GE薬メーカーの大正薬品を買収したほか、日本化薬と提携してバイオ後続品に参入するなど、積極的な動きを見せてきた。昨年度売上高は約160億円を達成している。
しかし、テバは5月、国内3位の大洋薬品を買収すると発表。同社の発行済み株式の57%を取得した後、7月には完全子会社化を実現したことで、テバが日本で展開するGE薬事業は、合弁の興和テバと買収した大洋薬品が共存することになったため、両社の動向が注目されていた。
5月の記者会見で、シュロモ・ヤナイCEOは「大洋薬品との提携は、興和テバと違ったイニシアチブになる」との考えを示していたが、今回、興和との合弁事業を解消するという一つの答えを出した格好。
これにより、テバは、国内での二つのGE薬事業を完全に手中に収めたことになる。今後の焦点は、100%子会社化した興和テバと大洋薬品を統合するかどうかになりそうだ。