国際コンサルティング会社のブーズ・アンド・カンパニーは、研究開発に最も多額の費用を投入した世界トップ1000社の調査結果を公表した。それによると、昨年は上位5社中4社を製薬企業等のヘルスケア業界が占め、スイスのロシュが2009年のトップを維持し、前年5位の米ファイザーが2位、6位のスイス・ノバルティスが3位に浮上。トップ3を製薬企業が独占した。また国内勢では、武田薬品が41位、アステラス製薬が49位と続いた。
調査は、世界1000社の研究開発が企業業績に及ぼす影響について、毎年実施しているもの。その結果、昨年の研究開発支出額は、09年比9・3%増の5500億ドルと前年の3・5%減から回復し、研究開発支出の長期的な増大傾向への回帰が明らかになった。地域別では、インド・中国に本社を置く企業の研究開発支出が38・45%増と急成長を続ける一方、日本は1・76%と5地域で最低を記録し、国内における研究開発意欲が停滞している実態が浮かび上がった。
調査を実施した9つの産業別で、製薬企業等のヘルスケア業界の研究開発支出額は104億ドル増加し、上位3業種で最大となる9・1%の伸びを見せた。また、ヘルスケア業界の研究開発支出は全体の22%を占め、産業別では2位に入った。
特に上位5社中4社を製薬企業等のヘルスケア企業が占め、トップのロシュ(96億4600万ドル)に続き、2位にファイザー(94億1300万ドル)、3位にノバルティス(90億7000万ドル)、5位に米メルク(85億9100万ドル)が入った。
これに対し、10位の米ジョンソン・エンド・ジョンソン(68億4400万ドル)、13位の英グラクソ・スミスクライン(61億2700万ドル)、16位の仏サノフィ・アベンティス(58億3800万ドル)、18位の英アストラゼネカ(53億1800万ドル)は前年に比べて順位を落とした。