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日本のあるべき姿示す取り組みを

2012年1月6日 (金)

 昨年に引き続き、またしてもすっきりしない気持ちを抱えながら2012年を迎えた。日本がどこに向かうのか。厳しい世界情勢や東日本大震災・原発事故の復旧・復興など、日本丸の舵取りを民主党を中心とした連立政権に任せていいのか不安が増すからだ。だからといって、自民党が取って代わっても、漠然としたその不安はぬぐえないという想いもある。

 昨年は何と言っても、3月11日に発生した東日本大震災とその後の福島原発事故につきる。震災対応は、世界各国の支援や国内の民間の人たちのボランティア活動など、流行語となった“絆”を確認できたが、政府の対応は被害が広域ということもあり、後手後手に回った感はぬぐえない。

 ましてや原発対応は、本当にこの政府でいいのかと思わせるものだった。事故現場の作業員等には敬意を表するが、政府や東京電力幹部には頭を捻らざるを得ない。“安全神話”に胡座をかいていた東電をはじめとする電力会社。被災住民避難のために必要な情報を、「混乱を招くといけないから」と発表せず、内部被曝など将来に禍根を残す対応をしている政府。原発事故という人災に、何の危機管理能力も持っていなかったことも明らかとなった。この“不信感”は原発不要論にまで発展し、それに飲み込まれるようにして、本当に原発は不要なのかの国民的議論を展開するにまでは至っていない。日本丸はどこに向かおうとしているのか。

 震災と原発事故の処理に「一定のメドがついた」として菅首相が退陣、その後を継いだ野田新政権。ギリシャショックなど欧州金融危機、米国経済低迷による史上最高の円高、TPP参加交渉への表明等々、難題が山積している。おまけに年末には、北朝鮮の金正日総書記が死亡し、三男の正恩氏への権力継承が伝えられるなど、いやが上にも緊迫感を増す東アジア情勢にいかに対処するのか。TPP問題の国内対応を見るにつけても、野田政権への不安感は増すばかりで、「日本をどこにもっていくの?」とつい思ってしまう。

 さて、年末に閣議決定された2012年度予算案。6年ぶりの前年度額を下回るとしているが、年金や復興の特別会計などを加えると過去最高となった。しかも、歳入の半分以上を国債で賄い、12年度の国債残高は1000兆円にも及ぶという。30年ほど前は150兆円ほどで大変だと言っていたものだが、それも隔世の感がある。

 診療報酬改定率は0・004%とわずかながらのプラス改定。実質的には、薬価と材料の引き下げ分が回されることになる。財政問題もあるが、確固とした“日本の医療の方向性”を見据えたものとは思えない。

 消費税増税議論が控えている。解散・総選挙含みの政局になるだろう。日本のこれからの形を示してほしい。




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