厚生労働省が調整している医薬品行政を監視・評価する「第三者組織」の設置などを盛り込んだ薬事法改正法案について、小宮山洋子厚生労働相は、今通常国会への法案提出が事実上難しく、臨時国会へ先送りする可能性を示唆した。衆院厚生労働委員会で坂口力議員(公明)の質問に答えた。
政権交代以降の歴代厚労相らは、2012年に第三者組織設置のための薬事法改正案を国会提出することを薬害肝炎原告団らに明言していた。しかし、今国会への法案提出をめぐっては、「社会保障と税の一体改革」関連法案の提出が優先され、薬事法改正案の提出は「検討中」と位置づけられ、あいまいな状況だった。
この日の委員会で坂口議員は、「今からでも、今国会に出されるということなのか。それとも、臨時国会もあるから、今年中には出すという意味なのか」と資した。
これに対し小宮山厚労相は、「正直言うと、今国会というのはなかなか難しいかと思う。何とか、約束通り、今年中に出せるように(したい)」と述べた。
小宮山厚労相は、厚生労働大臣の私的諮問機関として、省内に暫定的に設置することを予定している第三者組織について、「法的根拠を持つ第三者委員会という形ではなく、厚労省の中に中間的に創るということも考えたが、それでは元の約束とは違うということで、きちっと創らなければならない」との考えを示した。
また、新たに8条委員会として設置する場合、審議会等の新設を制限する閣議決定方針があることにも触れ、「そこを超えた大きな問題だという指摘もいただいている。多くの方の知恵もいただいて、どのような形でこれを作れるかということを検討させていただきたい」と述べた。