TOP > HEADLINE NEWS ∨ 

急性骨髄性白血病に日本発のFLT3阻害剤が有望

2007年03月23日 (金)

 急性骨髄性白血病(AML)の新たな治療に向け、受容体型チロシンキナーゼFLT3が有望な分子標的であることが、23日に札幌市で始まった第5回日本臨床腫瘍学会で清井仁氏(名古屋大学病院難治感染症部)から報告された。既に白血病細胞のFLT3に特異的に作用し、骨髄抑制も少ない化合物KW2449が開発され、米国で臨床試験が進行中で、日本発の分子標的薬剤の発表は大きな関心を呼んだ。

 これまで慢性骨髄性白血病(CML)に対しては、イマチニブの高い効果が多くの臨床試験で証明されているが、AMLの治療成績は満足のいくものではなく、過去20年来課題が残されてきた部分でもある。FLT3は、ほとんどのAMLに発現し、3割以上に変異が見られる受容体型チロシンキナーゼ。しかもFLT3に変異があると予後不良であることから、清井氏らは有望な分子標的として注目した。既に欧米では、MLN518、SU11248、PKC412等のFLT3阻害剤開発が進められていたが、思うような効果は得られず、強い副作用の発現もあって単剤での限界が指摘されていた。

 そこで清井氏らは、それらの問題点を克服する特異的なFLT3阻害剤の開発を目指し、実際の臨床検体において、治療上の妥当性(POC)を得た化合物のスクリーニングを開始した。その結果見出したFI”700は、マウスで腫瘍縮小効果を確認すると共に、血液毒性も少なく、白血病細胞だけに作用する理想的な薬剤であると考えられた。現在、米国で特異的FLT3阻害剤の臨床試験が始まっており、AMLの分子標的薬剤開発に向けて注目される報告となった。



‐AD‐

同じカテゴリーの新着記事

薬剤師 求人・薬剤師 転職・薬剤師 募集はグッピー
HEADLINE NEWS
ヘルスデーニュース‐FDA関連‐
新薬・新製品情報
人事・組織
無季言
社説
企画
訃報
寄稿
新着記事
年月別 全記事一覧
アカウント・RSS
RSSRSS
お知らせ
薬学生向け情報
書籍・電子メディア
書籍 訂正・追加情報
製品・サービス等
薬事日報 NEWSmart
「剤形写真」「患者服薬指導説明文」データライセンス販売
FINE PHOTO DI/FINE PHOTO DI PLUS
新聞速効活用術