製薬企業各社の入社式が2日、行われた。社長あいさつでは、グローバル化やコンプライアンス遵守の流れを受け、企業人としての高い倫理観を求めるなど、社会人としての自覚を促すメッセージが目立った。
武田薬品
長谷川閑史社長は、グローバル化、多様化を加速させる方針を強調した上で、「大きな変革期に入社された皆さんは、チャレンジすべき課題が大きい反面、飛躍するチャンスも数多く用意されていることを自覚し、自ら目標を定めて研鑽を積んでいただきたい」と激励した。
アステラス製薬
畑中好彦社長は、製薬企業が生命関連企業として、一層高い倫理観に裏打ちされた行動を求められているとし、「誠実であること」「すべては患者さんのために」の二つを大事にしてほしいと呼びかけた。
第一三共
中山讓治社長は、「志、意志を持つ」「Small at Heart」「日本No.1カンパニー」の三つのメッセージを伝え、「第一三共として6期目の社員となる皆さんが、企業理念を体現し、未来の第一三共を創っていくことになる。無限の可能性を信じて、熱い気持ちを忘れずに精進してほしい」と語った。
エーザイ
内藤晴夫社長は、「患者と家族の喜怒哀楽を第一義に考え、そのベネフィット向上に貢献することを企業理念として定款に定めている」とした上で、東日本大震災への支援活動や顧みられない熱帯病制圧の取り組みを挙げ、「いかなる時にも、いかなる場所でも、この定款に謳った理念の実践に邁進することが使命」と新入社員に訴えた。
大塚ホールディングス
樋口達夫社長は、「『ものづくり企業』であることにこだわる企業グループの一員として、自らが果たすべき役割を突き詰め、誇りを持って業務に取り組んでほしい。活躍の場は世界にある。独創的な製品を創出し、提供することで世界の人々の健康に貢献しよう」と呼びかけた。
協和発酵キリン
花井陳雄社長は、米子会社「バイオワ」を立ち上げ、世界の多くの人々と付き合ってきた経験から生まれた信条として「信義を重んじる」ことを挙げ、「様々な出会いの中で、ぜひ数多くの信頼関係を作ってほしい」と呼びかけた。
田辺三菱製薬
土屋裕弘社長は、「一人ひとりが仕事の価値を高め、組織の価値を高めることが結果として医薬品の価値を高めることになる」とし、「自ら進んで学び、新しい価値を創造し、存在感を示すようになっていただきたい」と語った。
大日本住友製薬
多田正世社長は、企業人としての「倫理観」「挑戦心」「グローバル化」の三つの心構えを示した上で、「グローバルに戦える研究開発型企業となるビジョンに向かって社員全員で取り組んでいる。その一員に早くなってほしい」と求めた。
塩野義製薬
手代木功社長は、自分が何のためにシオノギで働いているのかを心に持ち続け、コンプライアンスを遵守し、時間の大切さを認識することの3点を訴え、「シオノギの伝統の重さ、グローバル展開という新しい挑戦が自分たちに課せられた使命ということを覚えておいてほしい」と述べた。
小野薬品
相良暁社長は、「病気と苦痛に対する人間の戦いのためにという、経営理念の真の意味をしっかり胸に刻み込んでいただきたい」と語った。
日本新薬
前川重信社長は、「社会人としての強い自覚と高い倫理観を持ち、法令や社内ルールを厳格に遵守するよう決意を新たにしてほしい」とメッセージを送った。