
日本製薬団体連合会保険薬価研究委員会は7日の通常総会で、新委員長に加茂谷佳明塩野義製薬常務執行役員を選出した。任期は2年。
前委員長の禰宜寛治武田薬品コーポレートオフィサー業務統括部長は副委員長に退く。
総会後に会見した加茂谷氏は、禰宜氏と共に専門委員を務める中央社会保険医療協議会薬価専門部会で長期収載品の薬価のあり方について議論が始まったことに言及し、「長期収載品の薬価を下げることが所与のようなテーマで議論されている点を若干危惧せざるをえない」との認識を示した。
その上で、長期収載品に頼らず特許期間中にコストを回収する収益構造へ先発品市場が変わりつつあることを踏まえ、「良い形でスムーズに構造の転換ができるような方向づけをしてもらいたい」と語った。
また、政府が医療イノベーション5カ年戦略を取りまとめたことにも触れ、「医療費の抑制、薬剤費の抑制という避けられないテーマがあっても、日本の成長産業として医薬品・医薬品産業全体がそういう(成長の)方向に向かっていくことも求められている」と指摘。
「この二つの流れをどのような形でバランスをとっていくのか、関係当局やステークホルダーと議論しながら、より良い解決方策を見つけていきたい」とし、「少なくとも角を矯めて牛を殺すことのないような議論を今後展開していただければと切に思っている」と述べた。