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登販者の不正受験、根本的解決を

2012年11月9日 (金)

 登録販売者制度自体のあり方が問われる事象が後を絶たない。大手スーパーの西友が虚偽の実務経験証明書で、登録販売者試験に合格していた従業員が200人いたことを発表し、謝罪会見を開いた。同社によると今年8月に東京都からの指摘を受け、社内調査を実施して判明したという。この件は一般紙などの報道各社も取り上げるなど大きな話題となった。

 2009年6月の改正薬事法施行を前に08年からスタートした登録販売者試験は今年度で5年目となり、年度内に延べ合格者数は12万人に迫る勢いだ。同試験の初年度には全国で約9万人が受験し、約6万人が合格。各都道府県の薬務主管課の多くが年2回の試験を実施するなど、膨大な受験者数への対応に追われていたことは記憶に新しい。

 その後、全国的に、いく度となく登録販売者試験の受験要件である実務経験証明書の偽装が発覚する事案が発生した。そのたびに、管轄する自治体による試験合格取り消しや、受験願書取り下げ、販売従事登録の消除などが行われてきた。今回の西友の不正は、一企業単位としても、さらに数的にも過去最大規模となるだけに、企業としての医薬品販売に対する姿勢が問われても仕方ない。

 一方で制度のあり方自体を問題視する見方も出ている。先月25日に薬害オンブズパースン会議は、厚生労働大臣に対し、登録販売者試験受験資格の厳格化や、受験に関わる不正が発覚した場合の制裁規定などを求める「登録販売者試験受験資格に関する要望書」を提出した。

 具体的には、▽登録販売者試験の受験要件である実務経験に関する経過措置を定めた薬事法施行規則等の一部を改正する省令附則第2条2項から、既存配置販売業に関する記載の削除▽登録販売者試験の不正受験が行われた場合の制裁として、5年以内の受験資格停止規定の設置▽内容虚偽の『実務経験(見込)証明書』を作成した薬局開設者等に対する制裁規定の設置――を求めた。

 以前にも何度も指摘したが、これまでの実務経験証明書偽造は確信的なものか、認識不足によるものかはグレーで分かりにくい。今回の西友のケースも同様なのだろうが、多くのケースで内部告発的な情報提供に頼らざるを得ないのも事実。しかも、薬害オンブズパースンが指摘するように、証明書発行者や不正受験者に対する罰則規定がないことも、試験そのものを軽んじることにつながるのかもしれない。

 今回の西友の件は、一企業の事務処理上の不備というレベルでとどめるべきではない。特に生命関連商品である医薬品の販売制度の根幹ともなる話だけに、早急な善処策を講じることが求められる。




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