バイエル薬品と参天製薬は27日、滲出型加齢黄斑変性の治療薬として眼科用血管内皮増殖因子(VEGF)阻害剤「アイリーア硝子体内注射液40mg/mL」(一般名:アフリベルセプト)を新発売した。参天製薬が販売を担当し、医薬品情報提供活動は両社が共同で行う。
国内のVEGF阻害剤としては「マクジェン」「ルセンティス」に続き3番目。「アイリーア」は「ルセンティス」より長い投与間隔で、同等の効果を有することが臨床試験で示された。ヒトVEGF受容体1と受容体2の鍵となる構造を摸したことが、こうした特性をもたらすと考えられている。
導入期には1カ月ごとの連続3回投与、維持期には通常2カ月に1回投与することによって、視力を改善・維持させる効果が期待される。
「アイリーア」の国内予測市場規模は発売後10年目に、2万8000人の248億円。日本では、同疾患は中途失明原因の第4位で患者数は増加傾向にある。VEGF阻害剤の治療対象となる国内患者数は推定約70万人。現在この市場は「ルセンティス」の寡占状態にあるが、「アイリーア」がそれをどこまで切り崩すことができるかが注目される。