日本医薬品卸業連合会会長 別所 芳樹
当面の日本医薬品卸業連合会の一丁目一番地の課題は、流通改善であります。
昨年3月の流通改善懇談会で、薬卸連と日本保険薬局協会との協議結果が報告され、カテゴリー別価格交渉を活用した単品単価取引の推進、契約条件の事前明示と有効期間を定めた覚書の締結等について同懇談会のご賛同をいただきました。その後、両者のワーキングチームでの協議、地域での意見交換会により積極的な取り組みを推進いたしました。その結果、満足のできる数字ではありませんが、一定の成果が得られたものと考えます。
川下取引については、二つのことに絞って申し上げたいと思います。
一つは、川下取引改善の目的についてであります。私ども卸売業者を含め、流通関係者は、公的医療保険制度の下で取引をいただいており、この公的医療保険制度を支えている薬価制度の適正な運営に、最大限努力する義務があると考えます。流通改善の中身である早期妥結は、薬価調査の捕捉率を高め、その信頼性を高めるために必要なものであり、また銘柄別収載の薬価制度である以上、単品ごとの単価を定めることが、必然的に求められております。
公的医療保険制度の適正な運営に協力する義務を果たす、このことが流通改善の趣旨であり、この点をしっかり流通関係者の皆様に、ご理解をしていただくよう留意する必要がございます。
二つ目に申し上げたいことは、厚生労働省医政局経済課のご努力、ご指導もあり、流通改善において、今までにない盛り上がりを見せており、今を逃せば、永遠に流通改善のチャンスはないだろうと思っております。残念ながら、目下、妥結率は依然改善されておらず、一見流通改善は停滞しているように見えますが、価格交渉の中身は、ずい分改善されてきており、流通改善は着実に進展している、私はそのように認識しております。