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「食育」の総合的な推進が急務

2007年5月21日 (月)

 内閣府は今月、今年3月に実施した「食育に関する意識調査」の結果を発表した。この調査は食育に関する国民の意識や関心などを把握し、今後の食育推進施策に向けた基礎資料とすることを目的に行われたものだ。

 まず「食育」の周知度だが、言葉を知っていた人(言葉も意味も知っている、言葉だけは知っているの合計)は65・2%で、2年前の前回調査に比べ12・6ポイント増加していた。日頃から「食育」を何らかの形で実践しているかでは、実践しているという人(積極的にしている、できるだけ行うようにしているの合計)は55・8%で、こちらも前回調査より増加していた。

 「食育」に関心がある理由としては、「子どもの心身の健全な発育のために必要」という意見のほか、「生活習慣病(癌、糖尿病など)の増加が問題になっているから」ということも挙げられている。因みにメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の認知度では、7割以上が意味まで知っており、意味は知らなくとも言葉は知っているという人まで含めると、91・8%がメタボリックシンドロームという言葉を知っているという結果であった。

 最近の食をめぐる状況をみると、急速な経済発展に伴って生活水準が向上し、食の多様化が大きく進展してきた。日々の多忙な生活の中で、食に対する意識が希薄になり、健全な食生活が失われつつある。また食に関する情報も氾濫し、情報の受け手である国民が、食に関する正しい情報を適切に選別し、活用することが困難な状況も見受けられる。

 例えば、脂質の過剰摂取や野菜の摂取不足のような栄養の偏り、食生活習慣の乱れが、年齢に関係なく見受けられる。これらに起因した肥満や生活習慣病の増加が見られ、若い女性では過度の痩身といった問題も指摘されるようになってきた。国民の食に対する関心と意識を高め、食に関する理解を深めることは、子どもだけでなく、急速な増加を続ける高齢者が、いきいきと生活していく上からも急務といえよう。

 食品の安全性に対する関心は非常に高いものの、健全な食生活に対する意識は、栄養の偏り、食習慣の乱れからの肥満や生活習慣病の増加などを見る限り、まだまだ遅れていると言わざるを得ない。食が疎かでも「サプリメントや栄養補給食品で補えばいい」という意識も背景にある。昨今はマスメディア等を通じて情報が氾濫しており、食に関する正しい情報を適切に選別し、活用することができない状況も見受けられる。

 健全な食生活の推進には、行政はもとより教育、社会福祉、医療・保健、食品業界、さらには民間団体やボランティアなどに至るまで、多くの関係者が密接に連携・協力することが重要だ。

 例えば薬系の店頭でも、食生活を支える口腔衛生意識の向上、栄養補助食品の適切な摂取の啓発、食生活と疾病の関連等についての情報提供など、貢献し得る取り組みは数多い。

 セルフメディケーション推進に向け、健康生活の受け皿機能を前面に掲げるドラッグストアも、積極的に“食育”推進に関わっていくことを期待したい。




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