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地に落ちた医学研究の信用

2013年07月29日 (月)

◆医学研究をめぐる不正が後を絶たない。京都府立医大の研究グループが行った降圧剤バルサルタン臨床研究のデータ操作事件、OTC抗肥満薬のデータねつ造事件に続き、東大元教授グループが43論文で不正を働いていたことが発覚。日本の医学研究の信用は地に落ちた
◆実は昨年から慶應大で骨髄液の無断採取、宮崎大で鎮痛薬の同意なし投与、東京医科歯科大でIRB承認前の血液採取など、相次ぐ倫理指針違反にとどまらず、元東邦大准教授の約200本に及ぶ論文ねつ造が発覚していた
◆バルサルタン事件ばかりに目を奪われているが、そもそも昨年から続く不正の連鎖を断ち切れていないところに問題の深刻さはある。様々な学術団体や学会が声明、提言を発表しているが実効性は定かではない
◆ここまで来ると、行政通知に過ぎぬ倫理指針の見直しでは信頼回復は難しいだろう。国から罰則や法の網をかけられる前に、今こそ医学研究者がプロフェッショナルコード(専門家集団の自律性)を発揮し、信頼回復に汗をかく時だ。



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