エプスタイン社長が会見
スイスのノバルティスファーマのデビット・エプスタイン社長は、都内で記者会見し、降圧剤バルサルタンの医師主導臨床研究をめぐるデータ改ざん問題について、「臨床研究に参加し、利益相反が開示されなかったことは、ノバルティスの視点から不適切であった」と述べ、自社監視体制の不備を認めた。今後の再発防止に向けては、欧州諸国で要職を務めたエリック・コルヌート氏を日本法人会長に任命し、管理体制を強化すると共に、社内外メンバーで構成される「再発防止委員会」を設置することも明らかにした。
エプスタイン氏は、「臨床研究の信頼性を著しく損なうと共に、日本社会の不利益につながる事態を引き起こしてしまったことに心よりお詫びする」と謝罪。五つの臨床研究に関する論文の中で、関与したノ社社員の所属が適切に記載されていなかったことについては、「日本の社内システムにより厳しい監視体制があったならば、研究者に通知し、論文掲載後に訂正を行うことができた」と不備を認め、ノ社の二之宮義泰社長と、持ち株会社のノバルティスホールディングジャパンの石川裕子社長に対し、今回の問題が終結するまでの間、3割の減俸処分を下した。ただ、データ操作の有無や誰が操作したかについては「データにアクセスできず、確認できなかった」と述べるにとどめた。
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