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薬剤師レジデント、社会的な制度に

2013年12月6日 (金)

 薬剤師レジデント制度を構築する病院が増えている。2014年度は40病院以上に達する見通しだ。これを全国に広げ、社会的な制度として定着させるためにも、薬学教育6年制を卒業した薬剤師の卒後臨床研修制度のあり方について、議論を本格化させる時期を迎えている。

 薬剤師レジデント制度とは、大学卒業後に病院などで薬剤師として働きながら研修を受け、資質を向上させる制度。米国の制度を参考に、1年目は一般的な領域を広く学び、希望者は2年目に進んで専門的な領域を学ぶという段階的な研修プログラムを構築している病院が多い。

 日本では02年度に北里大学北里研究所病院が開始。その後、地域の基幹病院や国立大学病院に広がっていった。13年度は35病院が制度を構築し、定員は合計100人ほど。14年度は40以上の病院に拡大すると見られる。

 実践力があり高度な業務を行える質の高い薬剤師を育てることが、この制度の目的だ。薬学教育6年制の実務実習で教えられるのは薬剤師の業務の一部に過ぎない。それを補完し、さらなる業務の発展に向けて研修を行い、将来を担う人材を養成する。

 従来の研修制度と違って、薬剤師レジデントには給与が支払われる。安定した生活基盤の中で研修を受けられ、仕事として業務に取り組む中で意識も高まる。早期から病棟に上がって患者に近い位置で臨床業務を経験できる研修体制を構築している病院は多い。各種セミナーや研修医と同じ講義など充実した研修プログラムによって、短期間で集中的に必要な知識やスキルを習得できることも特徴だ。

 将来は、医師の臨床研修制度のように、薬剤師レジデント制度を社会的に認知された仕組みにするべきだろう。

 このほど発足した厚生労働科学研究班「6年制薬剤師の輩出を踏まえた薬剤師の生涯学習プログラムに関する研究」(主任研究者:乾賢一京都薬科大学学長)の分担研究の一つ「新たな卒後臨床研修制度の構築」では、薬剤師レジデント制度を全国的な制度にするために何が必要なのかを検討し、来年3月末をメドに報告する計画だ。

 同分担研究者の橋田亨氏(神戸市立医療センター中央市民病院院長補佐・薬剤部長)によると、各病院が独自に構築している研修プログラムや教育者の質を、学会や職能団体を母体とした第三者機関などで評価、保証することが欠かせない。研修希望者と研修病院のマッチング制度の構築、研修費用の公的な支援なども求められるという。

 当面は、薬剤師のキャリアパスの一つとしてレジデント制度を位置づけ、そこを経た薬剤師への評価が高まれば、レジデントに進む薬剤師や制度を構築する病院は増えるだろう。併せて、第三者評価などのインフラ整備を段階的に行い、やがては社会的な制度として認知されるという道筋が今後考えられる。




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