筑波大学国際統合睡眠医学研究機構の柳沢正史教授らの研究グループは、マウスの実験で、副腎皮質由来のストレスホルモン「グルココルチコイド」の日内変動が、副腎皮質においてこれまで知られていなかった機構によって制御されていることを明らかにした。さらに、日内変動の振れ幅が大きくなることが、雌マウスで不安を軽減する作用に結びついていることを立証した。
副腎皮質ホルモンの分泌は視床下部、下垂体前葉、副腎皮質といった内分泌系の制御を受けることが知られている。例えば、脳がストレスと感じると、視床下部から副腎皮質刺激ホルモン放出因子が、続いて脳下垂体前葉から副腎皮質刺激ホルモンが放出され、さらに副腎皮質からグルココルチコイドが分泌され、抗ストレス作用が発現する。また、副腎や下垂体の腫瘍、その他の病変によるグルココルチコイド分泌の攪乱は、身体的疾患の原因になるだけでなく、様々な神経的症候や疾患ともかかわっている。しかし、副腎皮質局所での細胞間シグナルによるグルココルチコイドの制御機構は分かっていなかった。
* 全文閲覧には、薬事日報 電子版への申込みが必要です。