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薬価と消費税の理解促進キャンペーンも

2014年3月28日 (金)

 来週4月1日から新年度がスタートする。春は出会いと別れのシーズンでもあり、新入社員はハツラツとした社会人生活を送っていくことだろう。出会いと言えば、やっと日韓の首脳が米国大統領の取り持ちで会談に漕ぎ着けた。関係改善につながればいいのだが、現実の行動や言動、両国の世論情勢を見る限り前途は多難と言わざるを得まい。それ以外の周辺国、ロシア、中国、北朝鮮の外交問題も悩みの種だ。

 国内に目を転じれば、国民生活に直結する大きな変化として消費税率8%の導入が挙げられる。課税対象が「国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等および外国貨物の輸入」となっているため、食品から衣料品、嗜好品、不動産売買など、ほぼ全ての商取引、商品・サービスで税込価格が上がる予定になっているほか、交通機関の運賃や電気、ガスなどの公共料金も転嫁対象からは外れない。

 消費税は、1989年4月に3%でスタートし、97年4月には5%(うち1%は地方消費税)、そして今回8%に引き上げられる。景気低迷、デフレスパイラルの渦中にあった日本では消費税率のアップなどはもってのほかだったかもしれないが、少子高齢社会が加速している国で17年間据え置かれていたことも、ある意味では驚愕な事実である。

 当然のように医薬品の価格である薬価にも消費税は転嫁される。薬価には、公定価・償還価格である薬価のほかに、自由経済市場での取引において仕切価と納入価が併存している。

 実際に販売する納入価を決定するのは、医療機関、薬局と医薬品卸である。流通改革に一筋の光明が見え始めた今、価格交渉で過去の轍を踏むわけにはいかない。

 日本医薬品卸売業連合会は12日、価値に見合った市場価格の形成を図るため、消費税相当額を抜いた「薬価本体価格」を提示して価格交渉を行う「表示カルテル」の実施を公取委に届け出た。実施は周知期間を置いた10月からとなっている。

 さらに25日には、「薬価本体価格」などの用語を用いた価格交渉で誤解を招かないよう、業界で用語を統一すべく定義を公表した。本紙1面の[図]の通り、「薬価」と、消費税相当額を抜いた「薬価本体価格/本体薬価」、薬価本体価格から本体薬価差・乖離率を引いた「税抜納入価」、消費税を加えた「税込納入価」、そして「税抜仕切価」の5用語を提示している。

 「消費税で損税が発生する」という根深い誤解を解消していくことも急務だ。独占禁止法に抵触しない方法で、業界が一丸となったキャンペーンなどを展開して、正しい制度を理解してもらうことが必要だ。法治国家では正しい制度は一つである。関係者全員が正しい制度を共通の認識として理解し同じ土俵に立つことが、全てのスタートラインになるのではないだろうか。




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